車の借り換えローンで返済額を減らせる?メリットや注意点を解説
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自動車ローンの借り換えとは、現在返済中のローンを別の金融機関からの新たな借り入れで一括返済する手続きです。金利が低いローンへ乗り換えることで、支払総額を減らせる可能性がある点がメリットです。
ただし、ローンの残高や残りの返済期間によっては、借り換えによって減らせる金額よりも金融機関に支払う手数料などの金額が上回る可能性もあります。借り換えを行う際は、手数料などを含めた合計金額が抑えられるかを確認してから申し込むことが大切です。
この記事では、自動車ローンの借り換えについて説明しています。借り換えに適したタイミングや判断基準も説明していますので、借り換えを検討している方は参考にしてください。
- 借り換えによって、自動車ローンの支払総額や月々の返済額を抑えられる可能性がある
- 自動車ローンを借り換える際は、ローンの審査に通過する必要がある
- 自動車ローンの借り換えには、事務手数料や一括返済の手数料などの諸費用がかかる場合がある
ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者) 他 小宮 崇之
自動車ローンの借り換えは「金利差」だけでなく「諸費用を含めた実質的なメリット」で判断することが重要です。借入残高が少ない段階や残りの返済期間が短い場合は、削減される利息よりも手数料負担が上回るケースもあります。借り換え前にシミュレーションをして比較しましょう。
自動車ローンの借り換えとは
自動車ローン(マイカーローン)の借り換えとは、現在返済中のローンを別の金融機関で新たに組み直し、元のローンを全額一括返済する手続きのことです。多くの場合、車を購入した際に販売店で契約したディーラーローンから、より金利が低い銀行や信用金庫などの自動車ローンへ乗り換えることを指します。
借り換えの目的は、金利の負担を軽減して月々の返済額や支払総額を抑えることです。ただし、借り換えには新たな金融機関における審査通過が必要となり、契約に伴う手数料などの諸費用が発生する場合がある点に注意が必要です。
金融機関の自動車ローンとディーラーローンの違い
自動車購入時に利用できるローンには、銀行などの金融機関が提供する自動車ローンと、販売店で契約するディーラーローンがあります。
ディーラーローンは、車の購入手続きと同時に販売店で申し込むタイプのローンです。ディーラーローンの場合、販売店が提携する信販会社のローンを完済するまで、車の所有権がディーラーや信販会社名義になるのが一般的です。
一方、銀行などの自動車ローンは、自身で申し込み手続きや販売店への支払いを行います。融資が実行された時点で車の所有権が自分(使用者)名義となるため、ローン返済中であっても車の売却や買い替えを比較的スムーズに行えます。
自動車ローンの借り換えのメリット
ここでは、自動車ローンの借り換えを行うメリットを説明します。
金利が下がって支払総額が減る
借り換えのメリットは、金利が低いローンへ乗り換えることで支払総額を減らせる可能性がある点です。例えば金利相場が年3.0%〜8.0%とされるディーラーローンから、年2.0%〜4.0%の銀行系自動車ローンへ借り換えた場合、その金利差の分、返済負担を減らせる可能性があります。
借入残高が多く返済期間が長く残っているときほど、金利の引き下げによる支払総額の軽減効果が大きくなります。
月々の返済額を減らせる場合がある
金利が低いローンへ借り換えることで、支払総額だけでなく月々の返済額も減額できる可能性があります。毎月の固定費であるローンの返済額が下がれば、家計のキャッシュフローの改善につながるでしょう。
ただし、月々の返済負担を減らすために新しいローンの返済期間を現在よりも長く設定すると、結果的に利息が膨らみ、支払総額が増加する場合もある点に注意が必要です。
車の所有権が自分(使用者)名義になる
ディーラーローンを利用して車を購入した場合、ローン完済までは「所有権留保」が設定されるのが一般的です。「所有権留保」とは、分割払いなどで商品を購入した場合に、完済するまで所有権を販売店や信販会社が保持する契約方法です。
銀行などの自動車ローンへ借り換えると、金融機関からの融資金で元のディーラーローンが一括返済されるため、この所有権留保が解除されて車の名義を自分に変更することができます。車の所有権が自分名義になることで、将来的に車を売却したり、別の車へ買い替えたりする際の手続きがスムーズになる点がメリットです。
ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者) 他 小宮 崇之
ディーラーローンから銀行ローンへの借り換えは、所有権が自分名義になるメリットもあります。ただし、転職直後や他社借入が増えている状態では審査に通りにくい場合があります。借り換えを検討しているなら、信用情報を良好に保った状態で申し込みましょう。
借り換えでいくらお得になる?返済シミュレーション
自動車ローンを借り換えた場合、金利差によって支払総額や月々の返済額がどのように変化するのか見てみましょう。借入残高200万円、残りの返済期間を3年(36回)とし、金利6.0%(現在)から金利2.0%(借り換え後)へ変更した場合のシミュレーションは、以下のとおりです。
| 現在のローン (金利6.0%) |
借り換え後のローン (金利2.0%) |
差額 (軽減される金額) |
|
|---|---|---|---|
| 借入残高 | 200万円 | 200万円 | - |
| 残り返済期間 | 3年(36回) | 3年(36回) | - |
| 月々の返済額 | 60,843円 | 57,285円 | 3,558円 |
| 支払総額 | 2,190,348円 | 2,062,260円 | 128,088円 |
金利が6.0%から2.0%のローンに借り換えることで、月々の返済額は約3,500円、支払総額は約12万円下がっています。
金利が低いローンに借り換えることで返済負担が減少し、支払総額と月々の返済額の双方を抑えられる可能性がありますが、借り換えには金融機関ごとに設定された事務手数料や保証料が別途かかる場合があります。金利の差分だけでなく、諸費用を含めた合計金額で比較計算を行いましょう。
自動車ローンの借り換えのデメリット
自動車ローンの借り換えには、以下のようなデメリットがある点を理解しておきましょう。
再度、新規のローン審査を通過する必要がある
借り換えは新しい金融機関での新規借入となるため、改めてローンの審査を受ける必要があります。借り換え先として選ばれることの多い銀行系の自動車ローンは、ディーラーローンと比較して金利が低い分、審査基準が厳格な傾向があります。
現在のローンを組んだときよりも「収入が下がっている」「転職して勤続年数が短い」「クレジットカードのキャッシング枠や他社のローンなど、ほかの借り入れが増えている」といった場合は、審査に通らない可能性がある点に注意が必要です。
事務手数料や一括返済の手数料などの諸費用がかかる
借り換えを行うことで金利差によって返済負担が減ったとしても、借り換え手続き自体に複数の諸費用が発生する点に注意しましょう。諸費用の例には、以下のようなものがあります。
-
現在の金融機関へ支払う費用
- 一括返済(繰り上げ返済)を行うための「一括返済の手数料」
-
新しい金融機関へ支払う費用
- ローン契約に伴う「事務手数料」
- 契約書に貼付する「印紙代」
借入残高が少ない場合や残りの返済期間が短い場合、これらの諸費用が「金利引き下げによって浮いた利息分」を上回ってしまい、結果的に損をすることも考えられます。車の将来的な下取り価格をあらかじめ最終回まで据え置く残価設定ローン(残クレ)の場合、契約内容によっては違約金が発生する可能性もあるため、注意が必要です。
必要書類の準備や申し込み手続きに手間がかかる
ディーラーローンは車の購入と同時に店舗で手続きが完了しますが、借り換えの場合は自身で新しい金融機関を探して申し込みを行う必要があります。手続きには運転免許証などの本人確認書類に加え、「収入証明書類」「現在のローンの返済予定表や残高証明書」「車検証」など、複数の書類を不備なく揃えなければなりません。
審査から融資実行までに数週間ほど時間がかかることもあり、日中仕事で忙しい方にとっては手続きを手間に感じることもあるでしょう。
自動車ローンの借り換えに適したタイミングは?
自動車ローンの借り換えを検討するとき、どのタイミングで手続きを行うべきか迷う方がいるかもしれません。借り換えを検討すべきタイミングは、収支のバランスやライフスタイルの状況が大きく変わるときです。
例えば、「結婚や出産を機に、今後の教育資金や生活費を確保したい」「転職などで収入や支出のバランスが変化したため、家計を見直したい」といった場合です。家計の固定費のなかでも比較的大きな割合を占める自動車ローンの金利を引き下げることは、毎月のキャッシュフローの改善につながるでしょう。ライフステージの変化を感じたときに、ローンの見直しを検討するのがおすすめです。
自動車ローンを借り換えるかの判断基準
自動車ローンを借り換えると利息の負担を減らせる可能性があるものの、タイミングによってはメリットを受けにくい場合があります。自動車ローンを借り換えるかの判断は、以下の基準で行うことをおすすめします。
自動車ローン残高が100万円以上など、まとまった金額が残っているとき
ローン金利は借入残高に対してかかるため、残高が多い場合ほど利息の削減幅が大きくなり、金利を引き下げた際の恩恵を受けやすくなります。
一方で、返済が進んで残高が数十万円程度まで減っている場合は、支払う利息自体が少なくなっていきます。この状態で借り換えを行うと、事務手数料や印紙代など手続きにかかる各種手数料が削減できる利息分を上回り、かえって損をする可能性も考えられるでしょう。
借り換えを検討する際は、手数料を含めた合計金額で比較をすることが大切です。目安として借入残高がおおよそ100万円以上ある方は、借り換えを検討するとよいでしょう。
返済期間が残り1年以上あるとき
「元利均等返済方式」を採用している自動車ローンは、返済が始まった当初ほど返済額のうちで利息が占める割合が多く、終盤になるほど元金の割合が多くなる仕組みです。そのため、返済期間が長く残っている初期〜中盤のタイミングで借り換えるほうが、将来支払うはずだった利息を削減しやすいという特徴があります。
残り期間が1年未満の場合は、将来支払う予定だった利息が少なくなっているため、借り換えのメリットを得づらい可能性があります。
借り換え前後の金利差が年1.0%以上あるとき
現在のローンと借り換え先の新しいローンの金利を比較した際、年率で「1.0%以上」の差がある場合は借り換えを検討するとよいでしょう。
金利差が1.0%未満の場合、金利の低下によって下がる利息額よりも、新しい金融機関へ支払う保証料や事務手数料、元の金融機関へ支払う一括返済手数料などの「諸費用」のほうが高くなるリスクがあります。
表面的な金利の低さだけで判断するのではなく、各種手数料を含めた実質的な合計額で比較し、明確に金額を抑えられる場合にのみ借り換えを決断することが重要です。
自動車ローンの借り換え手続きの流れ
ここでは、自動車ローンの借り換えの手続きを説明します。
- シミュレーションで借り換え前後の金利・返済額を比較する
- 借り換え先となる新たな自動車ローンの仮審査に申し込む
- ローンの残債額・一括返済方法・手数料を確認する
- 本審査への申し込み、必要書類の提出をする
- 借り換えたお金で以前のローンを一括返済する
1. シミュレーションで借り換え前後の金利・返済額を比較する
まずは、借り換えによって本当に合計金額を抑えられるかシミュレーションしましょう。現在契約しているローンの「借入残高」「適用金利」「残りの返済期間」をシミュレーションサイトで入力し、借り換えを検討している金融機関の金利と比較して、月々の返済額や支払総額がいくら減るのかを確認してください。
借り換えのメリットを期待できない場合は、借り換え自体を見送ったほうがいい可能性もあります。
2. 借り換え先となる新たな自動車ローンの仮審査に申し込む
シミュレーションで借り換えの効果を確認できたら、希望する金融機関に仮審査を申し込みます。仮審査はWEB上から数分で申し込みできることが多く、源泉徴収票などの詳細な書類提出は不要な金融機関が一般的です。
まずは自身が希望する金額で借り換えが可能かどうかを、仮審査で確認します。金融機関によっては仮審査がない場合もあります。
3. ローンの残債額・一括返済方法・手数料を確認する
仮審査を通過したら、現在ローンを契約している信販会社やディーラーに連絡を入れます。ここで現在の正確な「借入残債(一括返済する日時点での金額)」を確認し、一括返済を行う旨を伝えて振込先口座や必要な手続きの手順を案内してもらってください。
この際、一括返済に伴う手数料の有無や金額もあわせて確認しておきましょう。
4. 本審査への申し込み、必要書類の提出をする
正確な残額が確定したら、借り換え先の金融機関へ本審査の申し込みと契約手続きを行います。本審査の段階で、以下のような必要書類の提出を求められます。
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 収入証明書類(源泉徴収票、住民税決定通知書など ※借入金額による)
- 車の売買契約書、見積書、注文書など
- 借り換え対象ローンの利用代金明細書
など
必要書類は金融機関や申込者によって異なる場合があるため、よく確認しましょう。
5. 借り換えたお金で以前のローンを一括返済する
本審査に通過して契約が完了すると、新しい金融機関から融資が実行されます。借り換えたお金を使って、ステップ3で確認した現在のローンの振込先に残高を一括で返済します。
一括返済が完了したら、現在の金融機関から「完済証明書」や、名義変更に必要な「所有権解除書類」を受け取り、車検証の名義を自分に変更してすべての手続きが完了です。
複数のローンをまとめて借り換えるならおまとめローンやカードローンも選択肢
自動車ローンの借り換えを検討している方のなかには、クレジットカードのリボ払いや他社のカードローンなど、車以外の借り入れを複数抱えている方もいるかもしれません。
もし複数あるローンの返済管理が負担になっている場合は、自動車ローン単体の借り換えではなく「おまとめローン」や「資金使途が自由なカードローン」を活用して、すべての借り入れを一本化する方法もひとつの選択肢です。
銀行の自動車ローンは金利が低い反面、原則として「車に関連する費用」にしか使えません。一方おまとめローンは、車のローン残高とそのほかの借り入れを合算して1つのローンにまとめることが可能です。
返済先が1社になることで、毎月の返済日や口座の管理しやすくなります。また、現在適用されている金利よりも低いローンで一本化できれば、月々の返済負担やトータルの利息支払いを軽減できる可能性があります。
よくある質問
自動車ローンの借り換えのやり方を教えてください。
- シミュレーションで借り換え前後の金利・返済額を比較する
- 借り換え先となる新たな自動車ローンの仮審査に申し込む
- 残債の確認・一括返済手続きをする
- 本審査への申し込み、必要書類の提出をする
- 借り換えたお金で以前のローンを一括返済する
ディーラーローンの借り換えができないときはどんなときですか?
自動車ローンの借り換えのデメリットは何ですか?
自動車ローンの借り換えは信用情報に影響しますか?
ただし、短期間に複数の金融機関へ立て続けに申し込むと、「資金繰りに困っている」と判断されて今後の審査に不利に働く可能性があるため、注意が必要です。

