ビジネスローンとは?審査で確認されることとメリット・デメリットも解説
※本コラムの内容は、弊社の商品の内容を説明するものではありません。
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ビジネスローンは、法人代表者だけではなく個人事業主が申し込める商品もあります。借り入れたお金は設備投資などに利用でき、事業を安定・拡大するために役立つでしょう。
ビジネスローンの審査では、申込者個人に関する情報以外にも、事業に関連する情報が対象になる場合があります。どのようなことを確認されるのか、申し込みには何が必要なのか、事前に把握しておきましょう。
- ビジネスローンの審査で確認されること
- ビジネスローンの申し込みに必要なもの
- ビジネスローンのメリット・デメリット
ビジネスローンとは
ビジネスローンとは、事業性資金の借り入れができるローンです。ビジネスローンで借り入れたお金は、設備投資や事業の運転資金、仕入れ、事業拡大などに利用できます。 なお資金使途は事業に関連する費用のみで、生活費などプライベートに関する資金としては利用できません。
ビジネスローンは、銀行や貸金業者といった金融機関で提供されています。貸金業者とは、お金を貸す業務を行っており、財務局又は都道府県に登録をしている業者のことをいいます。具体的には、消費者金融、クレジットカード会社などが貸金業者です。
ビジネスローンの利用には審査があり、審査に通過した方が契約後、借り入れられるようになります。
ビジネスローンは法人・個人事業主が申し込める
ビジネスローンは、法人だけではなく、個人事業主も申し込める場合があります。
個人事業主が申し込める商品化どうかは、ビジネスローンのWEBサイトにある、商品概要や申込条件などを確認してみましょう。
ビジネスローンの審査で確認されること
ビジネスローンの審査で確認されるのは、「属性情報」「信用情報」「事業の財務状況」などです。

属性情報とは、年齢や家族構成など個人に関わる情報を指し、次のような情報が該当します。
属性情報
- 雇用形態(正社員、契約社員など)
- 勤続年数
- 収入 など
信用情報とは、各種ローンやクレジットカードの利用履歴など、個人の金融取引に関わる情報であり、次のような情報が該当します。
信用情報
- クレジットカードやローンの申込履歴
- 支払いや返済の遅延履歴 など
事業の財務状況とは、事業の利益、売上高などです。
これらの情報を金融機関が総合的に判断し、融資の可否、融資の金額を決定します。
なお個人事業主の場合、事業の財務状況以外の情報で審査を実施することもあります。
ビジネスローンは事業が赤字でも利用できる場合がある
「事業が赤字だと、ビジネスローンを利用できないのではないか」と思う方もいるかもしれませんが、融資を受けられるかは、属性情報や信用情報などを踏まえ総合的に判断されます。
赤字だった場合でも、現在の財務状況などを考慮し、金融機関が「融資をしてもお金を返済する能力がある」と判断すれば、借り入れられる場合があります。
ビジネスローンのメリット
ビジネスローンには、次のようなメリットがあります。

最短で即日借り入れられる商品もある
ビジネスローンのなかには、最短で申し込みをした当日に借り入れられる商品があります。事業に関する支払いなど、期限が迫っているときは融資までの時間が早い商品が便利です。
「最短で即日融資も可能」と記載されている場合、あくまでも最短の日数であることに注意しましょう。申し込んだ時間帯などによっては、審査が翌日以降に行われる場合があります。
物的担保・人的担保が不要で借り入れられる
物的担保とは不動産など、人的担保は保証人を指します。
ローンの種類によっては、お金を借りるために担保を用意する必要があります。ビジネスローンのなかには、担保を用意しなくても申し込める商品があることは、メリットといえるでしょう。
金融機関へ行かなくても借り入れられる商品がある
ビジネスローンには、銀行など金融機関の窓口へ行かなくても申し込みから契約、融資まで可能な商品もあります。
例えば業務が忙しい方は、予約をして指定の時間に金融機関へ行くことや、営業時間内に店舗へ行くことが難しい場合もあるでしょう。そういった方にとって、自宅や事務所など自分の好きな場所、タイミングで申し込めることはメリットといえます。
総量規制の対象外になる場合がある
総量規制とは、貸金業者に対して契約者の年収の3分の1を超える貸し付けを原則禁止する規制のことです。消費者の借り過ぎや、貸金業者の貸し過ぎを防ぐために設けられています。

ビジネスローンのなかには、総量規制を超えて借り入れられる商品もあり、これを「例外貸付」といいます。
例外貸付の対象となるビジネスローンの場合、年収の3分の1を超えて借り入れることが可能で、ある程度まとまった金額の融資を受けられる場合もあるでしょう。なお、実際の融資額や借入可能額は、審査によって決まります。
ビジネスローンのデメリット
ビジネスローンを利用するにあたり、次のようなデメリットを感じる可能性があります。

自治体や国の融資制度と比較して金利が高い
事業性資金を借り入れられる方法として、ビジネスローン以外にも、国や自治体が行う事業者を対象とした融資制度があります。
公的機関が実施する融資制度を比較すると、金融機関が提供するビジネスローンは金利がやや高く設定されています。
金利が高くなるほど、利息は高額になることが特徴です。金利が高く利息が増えれば、借りたお金を返済する負担が大きくなる可能性もあると把握したうえで、ビジネスローンを利用しましょう。
開業から間もないときは借り入れられない可能性がある
開業、設立して間もないときは、ビジネスローンの申込対象外になる商品があります。
例えば、開業資金を借り入れるためにビジネスローンを利用する場合、申込対象外であれば融資を受けることができません。
なお、国や自治体が行う事業者を対象とした融資制度であれば、開業前、開業直後に申し込める場合があります。自身の状況に合う商品、制度を利用してみましょう。
融資までに時間がかかる場合がある
一部では、「最短で即日融資も可能」といった商品もあります。しかし、銀行などでは、申し込みから融資まで数日、数週間かかる商品もあるでしょう。
資金が必要な日まで余裕がある方にとってはデメリットにはなりませんが、早い時期に現金が必要な方にとっては、融資までの時間が長い商品は、デメリットに感じるかもしれません。
ビジネスローンを利用する流れ
ビジネスローンの申し込みから融資までの一般的な流れは、次のとおりです。

1. 仮審査の申し込み(WEBまたは来店)
ビジネスローンに申し込むと、最初に仮審査が実施されます。金融機関によっては、仮審査がなく本審査のみを実施する場合もあるでしょう。
ビジネスローンに限らず、金融機関が提供するローンでは、必ず審査が実施されます。
2. 仮審査
仮審査は、申込者が入力をした情報をもとに、簡易的に審査が行われます。
正しい情報を入力し、誤りがないかを確認したうえで申し込みましょう。
3. 仮審査結果の通知
仮審査に通過したら、本審査の申し込みの案内が届きます。
審査結果や案内は、登録したメールアドレスに届きます。
4. 本審査
本審査に申し込むにあたり、審査に必要な書類の提出が求められます。
本人確認書類、収入証明書類、事業に関連する書類の提出が必要になるため、早めに準備しスムーズに手続きを進められるようにしておきましょう。
5. 本審査結果の通知・契約の案内
本審査の結果は、仮審査同様メールなどで通知されます。
なお、仮審査に通過しても、本審査では通過できない場合もあります。
6. 契約手続き・正式な申し込み
本審査通過後、正式に契約を行うための申し込みを行います。
本審査に通過したあと、融資額や借入可能額、金利などが通知されるため、十分に確認しておきましょう。
7. 融資
契約後、希望金額が振り込まれる、または、任意のタイミングでお金を借りられるようになります。
借り入れたあとは月々の返済を行います。返済は、口座振替で行うことが一般的です。
返済期日の前日までには口座に返済額以上の口座残高があるようにしておき、引き落としがされるようにしておきましょう。
ビジネスローンの申し込みに必要なもの
ビジネスローンの申し込みに必要な書類は、本人確認書類・収入証明書類・事業に関連する書類です。

本人確認書類
本人確認書類とは、申込者が本人であることを証明できる公的書類です。本人確認書類の例として、次のようなものがあります。
本人確認書類の例
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- パスポート(所持人記入欄があるもの)
- 住民票
- 在留カード・特別永住者証明書 など
収入証明書類
収入証明書類とは、申込者の収入を確認する書類です。収入証明書類の例として、次のようなものがあります。
収入証明書類の例
- 源泉徴収票
- 給与明細書/賞与明細書
- 課税証明書/特別徴収税額の決定通知書
- 確定申告書 など
事業に関連する書類
金融機関によっては、事業に関連する書類の提出を求めることがあります。
事業に関連する書類の例
- 直近の決算書類
- 商業登記簿謄本
- 確定申告書 など
個人事業主の場合は、本人確認書類と収入証明書類のみの提出になる場合があります。
自分に合うビジネスローンの選び方
ビジネスローンを選択する際は、次のポイントを意識してみましょう。
金利が低い
金額や返済期間などの条件が同一の場合、金利が低いビジネスローンのほうが、利息を軽減できる可能性があります。
ビジネスローンの金利は、◯%~△%のように上限と下限が設定されています。一般的には、借入金額が少ないほうが金利が高くなる傾向があります。
そのため、金利を確認・比較する際は、最も高い金利がいくらかを見てみましょう。
融資形式が資金の使い方に適している
ビジネスローンには、おもに以下の2つの融資形式があります。
当座貸越(とうざかしこし)
- あらかじめ設定された借入可能額の範囲で、必要な分だけその都度借りる形式
- 急な仕入れや人件費の支払いなど流動的な資金に適している
- 借入残高の増減によって利息や毎月の返済額が変わる場合がある
証書貸付(しょうしょかしつけ)
- あらかじめ決めた金額を一括で借りる形式
- 設備投資などまとまった資金に適している
- 毎月一定額を返済するため返済計画を立てやすい
「日常的に資金を調整したいか」「まとまった資金を必要とするか」など、資金の使い方や返済の見通しに応じて、適した融資形式を選ぶことが重要です。
金融機関によって融資形式を選べる場合と、どちらか一方のみが提供されている場合があります。利用したい融資形式が選択できるか確認しましょう。
融資までの時間が短い
お金が必要な期限が決まっている方の場合、申し込みから融資までの時間が短いビジネスローンが便利です。
金融機関のWEBサイトには、「最短◯日で審査結果をお知らせします」などと記載されていることもあるため、申込前に確認してみましょう。
借入可能額が高い
商品によって、設定されている借入可能額は異なり、10万円から1,000万円というように範囲が決められています。この数字の範囲内で、審査によって、申込者は個別に実際の借入可能額が決定します。
例えば、800万円の借り入れが必要な場合、最高500万円の借入可能額が設定された商品に申し込んでも、十分な金額を借りることができないでしょう。
借入可能額は金融機関のWEBサイトに記載されているため、申込前に確認してみてください。
無理のない返済期間である
融資が一括で行われるビジネスローンの場合は商品ごとに返済期間が決められています。
例えば、1カ月から36カ月の返済期間が設定されている商品の場合は、36カ月以上の期間で返済することはできません。定められた期間内に完済をしなければならず、期間に応じた金額の返済が必要になります。
事業の収入、支出を見ながら、無理のない期間で遅れることなく完済できるかを確認してみましょう。
なお、借入可能額の範囲内で繰り返し借り入れができるタイプのビジネスローンでは、借り入れをするたびに返済期間が変動します。
ビジネスローンを計画的に利用するコツ
初めてお金を借りる場合は、「お金を返済していけるのか」という不安を抱える方もいるかもしれません。計画的にビジネスローンを利用するためには、2つのコツを把握しておきましょう。
ビジネスローンを利用する目的を把握する
ビジネスローンで借り入れられるのは事業性資金であり、申し込む際に資金使途を記載します。
そのため、申込前に、どのような目的でいくら借りる必要があるのかを明確にしてきましょう。
資金使途、金額を明確にしておくことで、必要以上の金額を借り入れることがなくなり、返済の負担が大きくなりすぎない可能性があります。
申込前に返済シミュレーションを利用する
返済シミュレーションとは、借入希望額や金利などの情報を入力し、簡易的に返済に関する情報を把握できるツールです。
返済シミュレーションを利用することで、月々の返済額や利息、完済までの期間をイメージできます。
あくまでも簡易的なものであり、実際にビジネスローンを利用したときと同じ結果になるわけではありませんが、返済額などがイメージできれば、ローンの利用が現実的な手段なのか、収入や支出を見直す必要があるかを判断しやすくなります。
ビジネスローンの審査に落ちたときの対処法
ビジネスローンに申し込みをしても、審査に通過できない場合があります。審査に通過できなかったときの対処法は、次のとおりです。
審査に通過できなかった理由を考える
金融機関から、審査に落ちた理由が伝えられることはありません。
そのため、申込者自身が審査に落ちた原因として考えられるものを、把握しておく必要があります。特に、今後もビジネスローンの申し込みを検討している方は、把握したうえで対処しておきましょう。
ビジネスローンの審査に落ちた理由として考えられることには、次のようなものがあります。
- 資金繰りがひっ迫している
- 過去に税金などの支払いに遅れた
- すでに他社から借り入れている
- 事業の実績が浅い など
ビジネスローン以外の方法で資金調達をする
事業性資金を調達する方法は、ビジネスローン以外にもあります。
例えば、お住まいの自治体の役場で相談ができたり、政府系金融機関である「日本政策金融公庫」の融資制度を利用したりする方法などです。
次の見出しで、ビジネスローン以外の方法で資金を調達する方法を紹介します。
ビジネスローン以外で事業性資金を借り入れる方法
ビジネスローン以外で事業性資金を調達する手段として、次のような方法があります。
自治体が提供する融資制度を利用する
自宅や事業所がある自治体で実施している、事業者向けの融資制度の利用も検討してみましょう。
自治体が実施する融資制度は、中小企業や個人事業主が対象で、ビジネスローンと比較して低金利で融資を受けられる場合があります。
都道府県、市区町村によって制度の内容は異なるため、「◯◯(地域名) 事業 融資」などのキーワードで検索をして、WEBサイトを確認してみてください。
日本政策金融公庫の融資制度を利用する
日本政策金融公庫は政府系の金融機関で、中小企業や小規模事業者、個人事業主を対象とした融資制度があります。
開業前、開業から数年以内、事業拡大、事業再建といった、さまざまなパターンのサポートを実施していることが特徴です。ビジネスローンと比較して、金利は低い傾向があります。
最寄りの日本政策金融公庫の支店へ行き、融資などの相談が可能です。
お住まいの地域の銀行に相談をする
来店不要のビジネスローンを検討していた方は、地方銀行など店舗をもつ銀行で、事業性資金に関する相談も検討してみましょう。
地域に根付いた事業をしている方の場合、お住まい、もしくは事業所がある地域の銀行のほうが、相談をしやすい可能性があります。
ファクタリングで資金調達する
ファクタリングとは、売掛債権を買い取る金融サービスです。ここまで紹介してきたローンや融資制度とは異なり、売掛債権の買い取りによる資金の調達方法です。
サービスによっては、最短で申込当日に資金化が可能な場合があります。
なお、ファクタリングにも審査があること、手数料の支払いが必要になることを把握したうえで利用しましょう。
借入希望額・目的にあった方法で借り入れよう
ビジネスローンに申し込む前に、金利や融資までの時間、借入可能額などを確認しておきましょう。そして、返済計画を立てたりイメージをしたりして、返済に遅れないことも重要です。
ビジネスローンは計画的に利用することで、よりメリットを感じやすく、事業によい影響を与えてくれるでしょう。
よくある質問
ビジネスローンとはどのようなサービスですか?
ビジネスローンのデメリットを教えてください
- 自治体や国の融資制度と比較して金利が高い
- 開業から間もないときは借り入れられない場合がある
- 融資までに時間がかかる
ビジネスローンは個人事業主でも利用できますか?
ビジネスローンのWEBサイトにある商品概要などに、申込対象者が記載されているため、確認をしてみましょう。
ビジネスローンで開業資金を借り入れることはできますか?
こういった場合、金融機関で提供されているビジネスローン以外で、自治体や日本政策金融公庫といった、公的機関の融資制度を利用することも検討してみてください。
ビジネスローンとカードローンの違いを教えてください
カードローンとは、金融機関が主に個人向けに提供している商品を指します。
ビジネスローンは、資金使途が事業性資金に限られていますが、カードローンは、資金使途が原則自由という商品が多いことが特徴です。