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初心者向け投資信託の始め方ガイド|口座開設から運用まで流れをわかりやすく解説

※本コラムの内容は、弊社の商品の内容を説明するものではありません。

初心者向け投資信託の始め方ガイド|口座開設から運用まで流れをわかりやすく解説

投資信託は、初心者の方でも少額から始めやすい金融商品です。100円や1,000円などの小さな金額から投資できるため、生活に支障のない範囲で負担を少なく始められます。また、1つの投資信託で複数の株や債券に分散投資できるため、リスクを抑えながら資産を形成することが可能です。

投資信託を長く続けるためには、無理のない金額を投資して長期的な目線で分散投資を行うことがポイントです。この記事では投資初心者の方向けに投資の基本を説明していますので、投資信託を始めてみたい方は参考にしてください。

この記事でわかること
  1. 投資信託の仕組み
  2. 初心者の方におすすめの投資信託の始め方
  3. 投資信託でリスクを抑えるコツ
目次

    初めに理解しよう!投資信託とは?

    投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用し、その運用成果を分配する「金融商品」のことです。少額から始めることができ、複数の投資先に分散できるため、リスクを抑えながら資産形成を目指せるというメリットがあります。

    投資は「難しそう」「損をしそう」と感じる方もいるかもしれませんが、仕組みを理解すれば初心者でも始めやすい金融商品です。まずは投資信託の仕組みやメリット・デメリットを理解しましょう。

    投資信託の仕組み

    投資信託では、多くの投資家から集めたお金を1つの大きな資金としてまとめ、ファンドマネージャーと呼ばれる専門家が株式や債券、不動産、外国資産などに分散投資をします。その運用成果が、利益や損失に応じて投資家に分配される仕組みです。

    投資信託とは

    投資信託は自分で個別の株を選んで購入するのではなく、運用のプロにお金を預けて運用してもらうイメージです。1つの商品のなかでさまざまな投資先に分散するため、1社や1国の値動きに大きく影響されにくいという特徴があります。そのため、リスクを分散させやすく、初心者でも始めやすいのがメリットです。

    投資信託を始めるメリット

    投資信託の大きなメリットは、少額から始められる点と専門家に運用を任せられる点です。100円や1,000円などの小さな金額から投資できるため、投資経験がない方でも無理なく始められます。

    また、1つの投資信託で複数の株や債券に分散投資できるため、リスクを抑えながら長期的な資産形成ができます。銀行預金より高いリターンを目指せるのもメリットのひとつです。

    投資信託を始めるデメリット

    投資信託には、以下のようなリスクが伴います。

    投資信託のリスクの種類

    代表的なリスクは、価格変動リスクです。投資先である株式や債券の値動きによって、元本が減る可能性があるというリスクです。銀行預金の場合は「預けた金額が減る」ということがないため、預金とは大きく異なる特徴といえます。

    短期的な値動きに一喜一憂して途中で解約してしまうと、思うような成果を得られないこともあります。一時的な価格の下落があったとしても長期的に積み立てればリスクは分散できるため、時間を味方につける意識を持つことが大切です。

    【初心者向け】投資信託を始めるための準備

    投資信託を始めるには、事前準備が大切です。ここでは、投資信託を始めるために決めておくことを説明します。

    投資目的を決める

    まずは「何のために投資するのか」を明確にしましょう。目的が曖昧なまま始めると、途中で運用方針に迷いやすくなります。

    例えば、「老後資金の準備」「子どもの教育費」「将来の旅行や住宅資金」など、ゴールを具体的に設定するのがおすすめです。目的が決まれば、どのくらいの期間でどの程度のリターンを目指すかが見えてくるでしょう。

    いくらから投資するかを決める

    投資信託は、少額からでも始められるのが特徴です。多くの証券会社では100円から購入できるため、「まずは月々1,000円〜5,000円程度から」といった小さなステップから始められます。

    重要なのは、無理のない範囲で続けることです。生活費や急な出費に支障をきたさない金額で、余剰資金から始めるとよいでしょう。月々の投資金額を決めることで、リスク管理や積み立ての習慣化もしやすくなります。

    リスク許容度を考える

    投資信託におけるリスクとは、投資先の株式や債券などの価格が上下することで、収益や損失がどれくらい振れるかを示すものです。投資信託では、株式に多く投資する商品や債券中心のものなど、種類によってリスクの大きさは異なります。

    株式型は値動きが大きい分リターンを期待できますが、短期間で価格が下がることがあります。一方、債券型は値動きが穏やかで安定しやすい反面、大きな利益を得にくいのがデメリットです。

    「商品によってリスクが違う」という前提を理解したうえで、例えば「もし10万円ほど資産が減っても冷静に続けられるか」「少しの損失でも不安で眠れなくなるか」など、自分がどの程度の値動きまで気持ちを保てるかを考えるとよいでしょう。この「気持ちの余裕」が、自分のリスク許容度です。

    リスクの許容度をあらかじめ把握しておくことで自分に合った投資信託を選びやすくなり、無理なく長く続けることができます。

    投資期間を決める

    最後に、どのくらいの期間で運用するかを考えましょう。投資信託は、短期で利益を狙うよりも、5年・10年といった長期で続けることでリスクを分散しやすくなります。

    例えば、老後資金などの長期目的なら時間を味方につける運用を意識し、途中の値動きに一喜一憂しない姿勢が大切です。数年で使う予定があるお金なら、リスクを抑えた商品を選ぶのがよいでしょう。期間を明確にすることで投資方針がぶれず、より目的に合った運用ができます。

    投資信託の始め方【初心者向け5ステップ】

    ここでは、投資信託のやり方を5ステップで説明します。投資初心者の方は、以下の順番で始めてみてください。

    投資信託の始め方。初心者向け5ステップ

    1.証券口座を開設する

    投資信託を始めるためには、まず証券口座を開設する必要があります。投資信託の取り扱い数が多いために証券会社を利用する方が多いですが、銀行やゆうちょ銀行などでも購入は可能です。口座を作成することを決めたらネット証券や銀行、郵便局などで口座開設の手続きを行いましょう。スマートフォンで完結できるネット証券であれば、金融機関の窓口に出向く必要がありません。

    口座開設の際は、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を準備しましょう。内容に不備がなければ、申し込みから数日で取引を始められることが一般的です。

    一般的な口座開設の流れ

    • 申し込み:氏名・住所・連絡先・職業を入力する
    • 本人確認:WEBで書類撮影+顔認証をする
    • マイナンバー提出:番号確認書類の撮影/提出する
    • 口座審査・開設完了:ログイン情報が届き、ログインする
    • 初期設定:パスワード・2段階認証設定、入金方法(振り込み/即時入金)などを登録する

    2.口座の種類を選ぶ

    証券口座には「一般口座」「特定口座」「NISA口座」の3種類があり、それぞれ税金の扱いなどが異なります。

    一般口座:発生した損益計算や納税手続きをすべて自分で行う口座
    特定口座:証券会社が上場株式などの譲渡所得(課税対象額)の計算を行う口座
    NISA口座:NISA制度(少額投資非課税制度)が適用される口座

    各口座の源泉徴収や確定申告の要否は、以下のとおりです。

    源泉徴収 確定申告
    一般口座 なし 必要
    特定口座 あり 不要
    なし 必要
    NISA口座 - -

    NISA口座は、一定の範囲内で運用益が非課税になる制度を利用できる口座で、長期的な資産形成に向いています。例えば、月々のつみたてをNISA枠で行えば、得られた利益に税金がかからず効率的に資産を増やせる可能性があります。

    NISAについて詳しく知りたい方は、「投資信託を始めるなら知っておきたいNISA制度」を参考にしてください。

    3.投資信託(商品)を選ぶ

    投資信託の商品を選ぶときは、「どんな資産に投資するのか」と「どんな運用方法をとるのか」を意識することが大切です。

    投資先には、国内外の株式や債券、不動産などがあり、商品によって組み合わせが異なります。例えば、株式中心の商品は値動きが大きい分、リターンを狙いやすいのが特徴です。一方で債券は安定性が高いものの、得られる利益が比較的少ないという側面があります。

    リスクとリターンの関係

    運用の方針によってもタイプが分かれます。市場平均に連動して運用する「インデックス型」は、コストが低く、初心者向きといえるでしょう。市場平均を上回る成果を目指す「アクティブ型」は、より積極的な運用を行う分リスクが高く、手数料が高めです。

    初心者の方はコストが低く、複数の資産や地域に分散投資できるインデックス型の投資信託を検討してみましょう。

    4.購入方法を決める

    投資信託の購入方法には、「一括投資」と「積立投資」の2つがあります。一括投資は、まとまった資金を一度に購入する方法で、短期間で効果を得られる可能性があるのがメリットです。ただし、タイミングによっては、購入直後に価格が下がるリスクもあります。

    一方の積立投資は、月々決まった金額を自動で購入していく方法です。価格が高いときは少なく、安いときは多く買う仕組みになるため、ドルコスト平均法といって長期的に平均購入価格をならす効果があります。積立投資は少額から始められるうえ、相場の変動を気にせず続けやすいのが特徴です。

    まずは月々数千円程度から無理のない金額で積み立てを始め、慣れてきたら金額を増やすのがよいでしょう。

    5.運用を継続する

    投資信託は一度購入して終わりではなく、定期的に運用を見直しながら長く続けることが大切です。短期的な値動きに一喜一憂せず、5年・10年といった長期スパンで育てていく意識を持つようにしましょう。

    1年に1回程度は、自分の目標や家計の状況を見直すと、積立金額や投資割合が適切かを確認できます。目的の時期が近づいてきた場合は、リスクを抑えるために株式から債券の現金比率を高めていくのもよいでしょう。焦らずコツコツと継続することが、投資信託で成果を上げるポイントです。

    投資信託を始めるなら知っておきたいNISA制度

    投資信託を始めるなら、まず知っておきたいのが「NISA」という制度です。NISAは少額投資非課税制度で、投資で得た利益にかかる税金を非課税にできる仕組みです。資産運用の初心者にも始めやすいため人気があります。

    通常は投資信託の運用益や売却益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を利用すればその税金がゼロになります。「投資信託を始めてみたい」という方は、まずはNISAから始めるのもよいでしょう。

    NISAの利用が向いている人

    NISA口座で投資信託を購入している方が多い理由は、投資信託のリスクを抑える長期・積み立て・分散に向いているためです。

    NISAの非課税期間は無制限で、月々の積み立てにも対応しています。そのため、少額でコツコツ資産を形成できる方に向いています。積み立てであれば自動で購入されるため、相場のタイミングを気にせず始められるのも魅力のひとつです。

    つみたて投資枠と成長投資枠の違い

    2024年からのNISA制度では、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの非課税枠を組み合わせて利用できるようになっています。どちらも投資で得た利益に税金がかからない点は同じですが、投資対象商品や使い方に違いがあります。

    つみたて投資枠 成長投資枠
    年間投資枠 120万円 240万円
    非課税保有限度額 1,800万円(うち、成長投資枠は1,200万円以内)
    投資対象商品 長期のつみたて・分散投資に適した一定の投資信託 上場株式・投資信託など

    初心者の方は、まずは少額から始めやすく、リスクを抑えやすい「つみたて投資枠」がおすすめです。非課税の恩恵を受けながら、長期的に資産を育てていくことができます。

    ※2025年10月執筆時点の情報です。

    初心者が投資信託を始めるときの3つのポイント

    投資のリスクを確実にゼロにすることはできませんが、リスクを抑えることはできます。ここでは、初心者がリスクを抑えながら投資信託を始めるポイントを説明します。

    分散投資を意識する

    投資信託では、複数の銘柄や地域にお金を分けて投資できる分散投資ができます。

    例えば、1つの企業や国だけに投資していると、その市場が不調のときに大きく値下がりしてしまうかもしれません。しかし、投資信託なら国内外の株式・債券・不動産などに広く分散できます。分散することで、リスクを抑えながら安定した運用をしやすくなります。

    投資先を分散する例

    投資先を分散していれば、1つの資産の価格が下落したとしても、ほかの資産でリスクをカバーできます。バランスを考慮して複数の商品を組み合わせることで、さらなる分散効果を期待できるでしょう。

    コツコツ積み立てて長期で育てる

    投資信託は、短期間で利益を狙うよりも、時間を味方につけてコツコツ積み立てることを意識しましょう。月々一定額を自動で購入する「積立投資」は、価格が高いときは少なく、安いときは多く買う仕組みです。

    投資の時間を分散する例

    相場を予測する必要がなく、値動きに一喜一憂せずに続けられるのがメリットです。短期間で見ると市場が大きく変動することがありますが、長期間で見ると変動の幅が小さくなる傾向があります。一時的な下落に一喜一憂せず、長期的な目線で積み立てていくことが大切です。

    積み立てでは無理なく続けられる金額を設定する

    投資信託は「長く続けること」で成果が出やすいため、無理のない金額で始めるのがポイントです。

    収入に対して、月々の積立額が高額すぎると、生活費や家計に負担を感じるようでは長く続けられないかもしれません。最初は「月々3,000円」など、少額から始めてみるのがおすすめです。

    月々数百円から積み立てられる証券会社もあり、自動積立を設定すれば忙しい方でもコツコツ継続できます。大切なのは相場の変動にかかわらず、続けられる仕組みを作ることです。

    よくある質問

    投資信託の初心者は、何から始めるべきですか?

    まずは「投資の目的を決める」ことから始めましょう。老後資金や子供の教育費など、何のために投資するのかを明確にすることで、リスクの取り方や商品選びがスムーズになります。

    詳しい流れは「投資信託の始め方【初心者向け5ステップ】」で説明していますので、参考にしてください。

    投資信託を始めるタイミングはいつがいいですか?

    投資信託は長期でコツコツ続ける運用方法であるため、「思い立ったとき」に始めるのがおすすめです。相場を予測して「今は高い」「もう少し下がってから」と迷っているうちに時間を逃してしまうより、早めに少額でスタートし、時間を味方につける方が効果的といえます。

    明確な正解はありませんが、生活費や緊急用の資金を確保したうえで、資金に余裕があるときに始めるとよいでしょう。

    投資信託の一括購入と積み立ての違いは何ですか?

    一括購入はまとまった資金を一度に投資する方法です。運用をすぐ始められる反面、購入直後に相場が下がると損失が出るリスクがあります。

    一方、積立投資は月々一定額を自動で購入する方法です。価格変動を平均化できるのが特徴で、初心者にはリスクを抑えながら続けやすい積立投資が向いているでしょう。

    投資信託の買い方のコツを教えてください。

    投資信託は、少額から長く続けるのがコツです。一度に多く買うよりも、毎月コツコツ積み立てることで、価格が高いときも安いときもバランスよく購入できます。
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