短期投資のメリット・デメリットは?長期投資との違いや注意点を解説
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投資を始めるにあたり、「短期間で大きな利益を得たい」と思うことがあるかもしれません。投資には「短期投資」といって、短い期間で資産を売買して価格変動による差益を狙う投資手法があります。
短期投資は短期間で利益を得られる可能性がありますが、一方で損失も短期間で大きくなるリスクがあります。投資の知識や判断力が必要となるため、初心者の方には短期投資ではなく長期投資がおすすめです。
この記事では、短期投資のメリットやデメリットについて説明しています。投資を始めようとしている方は、参考にしてください。
- 短期投資は数秒〜数週間程度で売買を繰り返し、値動きの差益を狙う手法
- 短期投資は早期に利益を狙える一方、損失拡大や手数料・税負担のリスクがある
- 初心者には複利効果やNISAを活かせる長期投資から始めることがおすすめ
ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者) 他 小宮 崇之
短期投資は「早く増やせる」イメージが先行しがちですが、プロのトレーダーでも利益を安定させることは容易ではありません。まずは長期投資で資産運用の基礎を身につけてから、余剰資金の範囲内で短期投資にチャレンジするという順序が、リスクを抑えるうえで賢明です。
短期投資とは、数分〜数週間程度の短期間で資産を売買する投資手法
短期投資とは、数分から数週間程度の短い期間で資産を売買して価格変動による差益を狙う投資手法です。長期投資は数年から数十年単位で資産を育てるのに対し、短期投資は相場の値動きを利用して短期間で利益を狙います。
短期投資は保有期間が短いため、売買の回数が多くなります。その分、投資の判断力や情報収集力、精神的な耐性などが求められるのが特徴です。
短期投資の種類
短期投資には以下のような手法があります。
| スキャルピング | 数秒から数分で超短期売買を繰り返す手法 |
|---|---|
| デイトレード | 1日のうちに取引を完結させ、翌日に持ち越さない手法 |
| スイングトレード | 数日から数週間の期間で、数回に分けて売買を行う手法 |
いずれの投資方法も、短期間で売買を繰り返して値動きから利益を狙う点が特徴です。
短期投資と長期投資の違い
短期投資と長期投資には、以下のような違いがあります。
| 項目 | 短期投資 | 長期投資 |
|---|---|---|
| 投資期間 | 数秒~数週間 | 数年~数十年 |
| 利益の得方 | 値動きの差益(売買益) | 成長による値上がり+配当 |
| 売買回数 | 多い | 少ない |
| 必要スキル | 判断力・分析力・スピードなど | 継続力・分散投資など |
| 向いている人 | 投資に時間を使える人 | 忙しくても資産形成をしたい人 できるだけリスクを背負いたくない人 |
ここでは、短期投資と長期投資のリターンとリスクの違いを説明します。
リターンの違い
短期投資は、値動きを利用した「売買差益(キャピタルゲイン)」によって利益を狙う手法です。例えば「安く買って高く売る」という取引を繰り返して、短期間で利益を積み重ねていきます。
一方長期投資は、企業の成長や経済の拡大に伴う株価の上昇に加えて、配当金などのインカムゲインも含めてリターンを得る仕組みです。時間を味方につけて資産を増やすため、短期的な値動きに左右されにくい点が特徴です。
リスクの違い
短期投資は短期間で大きな値動きにさらされるため、損失が出るスピードが早いという特徴があります。売買回数が多くなることで手数料負担も増えやすく、結果的に利益が圧迫される可能性もあります。
長期投資は短期的な価格変動の影響を受けにくく、時間の分散によってリスクを抑えやすいとされています。ただし、長期間にわたって資産を保有するため、経済状況の変化などによる影響を受ける点には注意が必要です。
短期投資は「高リスク・高リターン」、長期投資は「比較的低リスク・安定志向」という違いがあり、自分の目的やリスク許容度に応じて選ぶことが重要です。
短期投資のメリット
ここでは、短期投資のメリットを説明します。メリットは、いずれも正しい知識とスキルがある前提で成立する点に注意しましょう。
短期間で利益を得られる可能性がある
短期投資の特徴は、数日から数週間といった短い期間で利益を狙える点です。長期間資金を拘束する必要がないため、うまくいけば比較的早く成果を実感できます。
特に相場が大きく動く局面では、短期間で価格差が生まれる傾向があります。その変動を捉えることで、利益につなげられる場合があります。
市場の値動きを活かしやすい
短期投資は、日々の価格変動を前提とした投資手法です。そのため、上昇相場だけでなく下落相場や横ばいの相場でもチャンスを見出しやすいという特徴があります。
長期投資が基本的に価格が上がるのを待つことを前提とするのに対し、短期投資は「動きそのもの」を収益機会にできる点がメリットです。
資金効率が高い
短期投資は売買サイクルが短いため、同じ資金を繰り返し使って利益を狙うことができます。これにより、資金を効率的に活用しながら利益を積み重ねることが可能です。
長期投資のように資金を一定期間引き出せない状態にする必要がなく、状況に応じて資金を動かしやすい柔軟性があります。取引が終われば現金に戻るため、予期せぬ暴落の影響を受けにくい側面もあります。
短期投資のデメリット
ここでは、短期投資のデメリットを説明します。短期投資は短期で利益を得られる可能性がある一方で、以下のようなデメリットがあることを理解しておきましょう。
損失が短期間で大きくなるリスクがある
短期投資は価格の変動を利用するため、利益が早く出る一方でその分損失が出るスピードも早いという特徴があります。相場が予想と反対に動いた場合は短時間で大きな損失につながることもあり、冷静な判断が必要です。
手数料やコストがかさみやすい
短期投資は取引回数が増えるため、売買手数料の負担が大きくなる傾向があります。1回あたりのコストは小さく見えても、取引回数が多い短期投資ではコストの積み重なりが大きくなります。
また、税金がかかる点に注意が必要です。利益が出た場合、譲渡所得として約20.0%の税金がかかります。例えば10万円の利益が出ても、手元に残るのは約8万円ということになります。
時間と精神的な負担が大きい
短期投資は、市場が開いている時間帯に情報を追い続ける必要があります。本業を持つ会社員の場合、「仕事中も価格が気になって集中できない」という状態に陥ることも考えられるでしょう。
また、損を抱えているときの精神的なプレッシャーは大きく、冷静な判断を妨げる要因になります。「損を取り返したい」「もっと利益をふやしたい」といった感情が強くなると冷静な判断ができなくなり、結果的に損失を広げてしまう可能性もあります。
情報収集を継続する必要がある
短期投資では、日々のニュースや市場の動きが価格に大きく影響します。経済ニュースや企業の発表、チャートの動きなどをこまめにチェックすることが必要です。
継続的に情報を集める習慣をつけることが、短期投資での判断力を高めるポイントです。
ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者) 他 小宮 崇之
短期投資の税負担は見落とされがちなデメリットです。利益が出るたびに約20%が課税されるため、手数料と合わせると実質的なリターンは想像より小さくなります。なお、NISAは中長期投資を前提とした商品が多いこと、損益通算や繰越控除もできないことから短期売買には不向きな制度設計であるため、NISAでの短期投資を考えている場合は、税制メリットを活かすため長期投資との併用を検討しましょう。
短期投資が向いている人の特徴
短期投資は、以下のような方に向いています。
- 投資の知識・経験がある
- 相場を監視できる時間がある
- 余剰資金が十分にある
- 損失を受け入れられるリスク許容度がある など
短期投資は「利益が出るのも損失が出るのも早い」という特徴があります。状況を的確に捉えるためには、一定の投資知識や経験が必要です。また、相場を監視して情報を追い続ける必要があるため、その時間を確保できるほうが望ましいといえます。
短期投資は大きな損失が出ることもあるため、余剰資金が十分にある状態で行うのが望ましいでしょう。大きな損失を許容できるか確認したうえで、始めることをおすすめします。
短期投資をするときのポイント
ここでは、リスクを抑えながら短期投資をするときのポイントを説明します。
損切りラインを事前に決める
短期投資で致命的な失敗をする多くの場合は、「損切りができない」ことが原因です。損切りとは、損失が出ているポジションを諦めて売り、それ以上の損失を防ぐ行動です。
損失が出たときに「もう少し待てば戻るはず」と思うことがあるかもしれません。その心理が、損失を拡大させる場合があります。感情で判断する前に「〇%下がったら必ず売る」というルールを取引前に決めておくことが重要です。
余剰資金・少額から始める
短期投資を始めるときに、生活費や近い将来使う予定のお金を投資に回してはいけません。損失が出た際に、日常生活に影響が生じます。
投資に使う資金は、「なくなっても生活に支障がない金額」に限定しましょう。余剰資金の範囲内で取引することで、損失が出たときも日常生活に影響を与えず、冷静な判断を保ちやすくなります。最初から大きな金額で取引を始めるのはリスクが高いため、少額から始めましょう。
1つの投資商品・投資手法に絞って学ぶ
短期投資には株やFX、仮想通貨や信用取引など多くの商品・手法があります。複数の手法を同時に試すとどれも十分な知識を得ないまま投資を行う可能性があり、損失だけが積み重なるリスクがあります。
まずは1つの手法・1つの銘柄に絞り、その値動きや特徴を勉強して理解することから始めるのがおすすめです。
初心者には長期投資がおすすめの理由
投資経験のない初心者は、短期投資で安定した利益を出すのが難しいため、長期投資を始めることをおすすめします。ここでは、長期投資をおすすめする理由を説明します。
時間をかけるほど資産が増えやすい
投資は、複利で運用することで資産が増えやすくなります。複利とは、運用で得た利益を元本に加えて再投資することで、利益がさらに利益を生む仕組みです。雪だるまを転がすイメージに近く、最初は小さな雪の塊でも、転がし続けるほど雪が積み重なって加速度的に大きくなっていきます。複利も同じで、時間をかけるほどその効果は大きくなります。
単利と複利について、同じ金額を投資した場合の5年後・10年後・20年後にいくらになるか、シミュレーションしてみましょう。毎月3万円を年利5.0%で5年〜20年投資した場合のシミュレーション結果は、以下のとおりです。
| 単利 | 複利 | |
|---|---|---|
| 5年後 | 1,982,313円 | 1,991,468円 |
| 10年後 | 4,323,277円 | 4,412,653円 |
| 20年後 | 10,081,154円 | 10,935,021円 |
単利と複利の差は、5年積み立てた場合は約9,000円、20年積み立てた場合は約85万円となることがわかります。長く運用し続けることで、複利が資産を育ててくれるのが長期投資の特徴です。
毎月少額を積み立てるだけで運用できる
長期投資は、積立投資との相性がよいという特徴があります。積立投資とは、毎月一定額を自動的に投資信託などに投資し続ける方法です。
例えば毎月3万円を年利5.0%で30年間積み立てた場合、シミュレーション結果は以下のようになります。
| 元本 | 運用利益 | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 3年目 | 108万円 | 8万円 | 116万円 |
| 6年目 | 216万円 | 34万円 | 250万円 |
| 9年目 | 324万円 | 82万円 | 406万円 |
| 12年目 | 432万円 | 154万円 | 586万円 |
| 15年目 | 540万円 | 254万円 | 794万円 |
| 18年目 | 648万円 | 388万円 | 1,036万円 |
| 21年目 | 756万円 | 559万円 | 1,315万円 |
| 24年目 | 864万円 | 774万円 | 1,638万円 |
| 27年目 | 972万円 | 1,041万円 | 2,013万円 |
| 30年目 | 1,080万円 | 1,366万円 | 2,446万円 |
3年目の運用利益が8万円であるのに対して、30年目は100倍以上になっていることがわかります。毎月少額を長期にわたって積み立てるだけで、利益を期待できるのが長期投資の特徴です。
また、長期投資は、短期投資のように「いつ買うか」「いつ売るか」を判断し続ける必要がありません。一度設定すれば自動で積み立てが進むため、忙しい会社員でも無理なく続けやすいのがメリットです。
積立投資には、ドルコスト平均法という効果もあります。毎月一定額を買い続けることで、価格が高いときは少なく、安いときは多く購入できます。結果的に購入単価が平均化され、価格変動のリスクを自然に抑えられる仕組みです。
精神的な負担が少ない
短期投資は、相場が開いている時間帯に情報を追い続ける必要があります。損を抱えているときの精神的なプレッシャーが大きく、本業への集中に悪影響をもたらすことも考えられるでしょう。
長期投資の場合、日々の価格変動に一喜一憂する必要がないため、忙しい会社員でも無理なく続けられます。もし相場の暴落があっても「持ち続ける」という判断ができるため、感情に左右されにくい点も初心者に向いているでしょう。
NISA(非課税制度)を活用できる
NISA制度には、年間最大360万円までの投資枠で得た運用益が非課税になるという仕組みがあります。通常の場合は投資で得た利益には約20.0%の税金がかかるため、NISAの活用は資産形成においてメリットです。
長期の積立投資であれば、非課税のメリットを最大限に活かしながら資産を育てられるでしょう。
よくある質問
投資で短期間で稼ぐにはどうすればいいですか?
短期投資と長期投資はどっちがおすすめですか?
短期投資はやめとけといわれる理由は何ですか?
手元の10万円を短期投資で増やすにはどうすればいいですか?
10万円を活かす場合、NISAを使った積立投資の元本として長期運用することをおすすめします。



