おまとめローンとは?利用する流れとメリットをわかりやすく解説
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おまとめローンとは、複数社からの借り入れを1社にまとめて借り換えできる商品のことです。借入先を1つにすることで、金利や月々の返済額を抑えやすくなります。
ただし、おまとめローンは金利や返済額を必ず抑えられるとはかぎりません。借換先での条件によっては金利や返済額が増えるケースもあるため、申し込む前に確認することが大切です。
この記事では、おまとめローンのメリットや利用する流れを説明しています。申し込む際の注意点もあわせて解説しますので、おまとめローンの利用を検討している方は参考にしてみてください。
- おまとめローンを利用する流れ
- おまとめローンを利用するメリット
- おまとめローンを申し込む際の注意点
おまとめローンとは
おまとめローンとは、カードローンやクレジットカードのキャッシングなど複数社からの借り入れを1社にまとめて借り換えできる商品のことです。借入先を1つにまとめることで、金利や月々の返済総額を抑えやすくなる場合があります。おまとめローンの中には、新たに借り入れができない「返済専用ローン」もあるので、追加の借り入れを検討している場合は注意が必要です。

※図は一例です。
おまとめローンの対象となるのは、以下のようなものです。
- 他社からの借り入れ
- クレジットカードのキャッシング利用分
※金融機関によって、対象が異なります。
【おまとめローンはこんな方におすすめ】
- 複数社からカードローンを借りているが、金利を下げたい
- 複数社からの借り入れをしていて、管理が複雑だと感じている
- 複数社からの借り入れをしていて、返済額を抑えたい
おまとめローンは、貸金業者や銀行など様々な金融機関で用意されています。カードローンで借り入れするときと同様、おまとめローンを申し込む際も審査が必要です。消費者金融などの貸金業者が提供する場合、条件によっては総量規制の対象外となるケースもあります。
【総量規制とは?】
貸金業者に対して契約者の年収の3分の1を超える貸し付けを原則禁止する規制のこと。消費者の借り過ぎや、貸金業者の貸し過ぎを防ぐために設けられている。
おまとめローンの申し込みから返済までの流れ
おまとめローンの申し込みから返済までの流れは、以下の通りです。
- おまとめローンに申し込む
- 審査結果を待つ
- 必要書類を提出する
- 入会手続きをする
- 振り込まれた融資金で他社借入分を返済する
- おまとめローンで借り入れた分を返済する
おまとめローンに申し込むと、申込先の金融機関にて審査が行われます。審査の結果を受け取ったら、必要書類を提出します。本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)や年収を確認できる書類(源泉徴収票や給与明細書など)の提出を求められることが多いです。
必要書類を提出して入会手続きを終えると、他社に返済するための金額が指定の口座に振り込まれます。他社に全て返済した後はおまとめローンとして返済していきます。
おまとめローンのメリット
おまとめローンを利用すると、以下のようなメリットがあります。
金利を下げられる
借入時の金利は、利息制限法によって上限が設けられています。借り入れの上限金利は以下の通り、借入金額に応じて年15.0~20.0%となっています。
元金 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年20.0% |
10万円~100万円未満 | 年18.0% |
100万円以上 | 年15.0% |
法律で定められた上限金利とは別に、金融機関によって利息制限法よりも低い金利を自社における最も高い金利としている場合があります。おまとめローンを利用する際は、現在契約しているところよりも金利が低いところを選ぶようにしましょう。
複数の借り入れを1つにまとめると借入金額が大きくなるので、今より低い金利で借り入れできる可能性があります。
例えば、上限金利で貸し出しを行っている3つのカードローン会社からそれぞれ8万円、40万円、52万円を借り入れ、合計100万円の借入残高がある場合を見てみましょう。
カードローン会社 | 借入残高 | 適用金利 |
---|---|---|
A社 | 8万円 | 20.0% |
B社 | 40万円 | 18.0% |
C社 | 52万円 | 18.0% |
A・B・C社から別々で借り入れていた場合は各借入残高が少ないため、20.0%、18.0%の金利が適用されています。一方、3社の借入残高を合計してD社でおまとめローンを申し込むと、適用金利が下がることがわかります。
カードローン会社 | 借入残高 | 適用金利 |
---|---|---|
D社 | 100万円 | 15.0% |
おまとめローンの利用前後で借入残高の合計は変わっていませんが、適用金利を抑えられた例です。
返済を管理しやすくなる
おまとめローンを利用すると、複数社からの借り入れが1つになり、返済を管理しやすくなります。
「A社は毎月10日、B社は毎月26日」といったように返済日が複数ある場合、返済を忘れてしまうかもしれません。おまとめローンを利用すると返済日を毎月1回にでき、返済スケジュールを管理しやすくなります。
おまとめローンの注意点
おまとめローンを検討するにあたって、以下のような注意点があります。
必ずしも返済総額が減るとはかぎらない
おまとめローンを利用したからといって、「今より低い金利になる」「返済総額が減る」とはかぎりません。借入状況や利用する金融機関によっては金利が下がらない可能性があります。
また、月々の返済金額を減らすことで返済期間が長引くと、結果的に総額が増えてしまう可能性があります。
おまとめローンのWEBサイトに掲載されているシミュレーションがあれば、申し込む前に試算してみましょう。おまとめローンを利用したときに今より負担が少なくできるか、事前に確認してみてください。
追加で借り入れできないケースもある
おまとめローンのサービスで追加の借り入れに対応していない場合は、新たに借り入れることができません。追加の借り入れが発生する可能性がある場合は、おまとめローンではなく使い道が限定されていないカードローンがおすすめです。カードローンは、総量規制の範囲内で新たに借り入れができます。
例えば、A社から30万円、B社から20万円、C社から40万円、総額90万円の借り入れがある場合を見てみましょう。カードローンを利用する場合は、以下の流れになります。
- D社で契約枠100万円コースのカードローンを申し込む
- D社で借り入れた100万円で、A社、B社、C社の借り入れを返済する
- D社の返済をする
追加の借り入れが発生する可能性がある場合は、カードローンか追加で借り入れできるおまとめローンを検討するとよいでしょう。
審査がある
カードローンと同様に、おまとめローンにも審査があります。審査に通過しなければ、おまとめローンを利用できません。
おまとめローンの審査に落ちた場合も、申し込みをした情報は指定信用情報機関に記録されるため、短期間で複数社に申し込まないようにしましょう。申し込んだ情報は6カ月間残るので、再度申し込みたい場合は6カ月程度開けてから申し込むのがおすすめです。
おまとめローンの選び方
おまとめローンは、多くの金融機関で提供されています。ご自身に合うもの・負担を減らせるものを確認したうえで選びましょう。
おまとめローンを選ぶときのポイントはおもに以下の3つです。
- 返済総額が減るか
- おまとめしたいローンが対象であるか
- 新たな口座開設が不要か
返済総額が減るか
おまとめローンを選ぶときは、返済総額を減らせるか確認しましょう。「今より金利を下げられるか」「毎月の返済額を減らせるか」の2点を確認してください。
まずは、おまとめローンの申し込みを検討している金融機関で借入をまとめた場合の、最も高い金利を調べます。現在契約している金融機関より金利が低いことがわかったら、毎月の返済額がいくらになるかをシミュレーションして確認しましょう。
おまとめしたいローンが対象であるか
おまとめローンを検討する場合は、まとめたい借り入れが対象に含まれているかを確認しましょう。
おまとめローンのWEBサイトで、「おまとめの対象」「借換対象」などの記載を確認してください。例えば、クレジットカードのショッピングは基本的に対象外となります。また、銀行のカードローンも対象外となる場合があります。
新たな口座開設が不要か
銀行系のおまとめローンの場合、サービスを提供する金融機関の口座の開設が必要となるケースがあります。
今持っている口座を利用できるほうが、口座開設に伴う手間と時間がかかりません。新たな口座開設が不要なおまとめローンを検討するとよいでしょう。
よくある質問
おまとめローンと借り換えローンの違いを教えてください
おまとめローンは誰でも申し込みできますか?
おまとめローンにデメリットはありますか?
以下のようなデメリットが想定されます。
- おまとめローンを利用したからといって必ずしも返済総額が減るわけではない
- おまとめローンを利用することによって返済期間が長くなる可能性がある
- 商品によっては追加の借り入れができない
おまとめできるローンは何社までですか?

保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。